レビュー
山本五十六の影に隠れた悲劇の男・・・南雲忠一
昭和16年12月8日に起きた真珠湾攻撃。山本五十六の奇襲案を現実のものにしたのが、機動部隊である。航空戦の価値を世界が認識していなかった時代に、多数の航空母艦と艦載機によって行われた画期的な攻撃は、連合艦隊に大きな戦果をもたらした。機動部隊を率いた南雲忠一は、その後もラバウル攻略戦から珊瑚海海戦で活躍し、破竹の勢いで勝ち進んだ。しかし、その命運はミッドウエイの無残な敗北で暗転し、その最期をサイパンの玉砕戦で終えた。戦前、山本五十六らの条約派と対立する艦隊派の中核で強硬派として日米開戦を後押ししていた南雲忠一は、アメリカとの戦いをどう思いながら死んでいったのだろうか。その心象風景が、この書からは伺える。