電信柱と妙な男

レビュー

絵本越え

いちばん大好きな絵本です。
小川未明のかなりシュールなストーリーとかぶりものをかぶった妙な男のイラストが、
なんというか、普通じゃないところでひとつの絵本になっていて、すばらしい。
ストーリーと絵を違うひとが書いている絵本の面白さを、たっぷり体感できる。
内容的には大人向きかもしれませんが、子供にもわからないながらに読ませたい絵本です。

まじめで、すっとんきょうで、ナンセンスで文学の香りのする話

人と関わるのが嫌いな「妙な男」と、人目があって夜しか散歩できないという電信柱が、夜の街を散歩中に出会い、気が合って友達になります。背の高さが合わず話がしにくいので、「妙な男」が屋根の上を歩き、電信柱が軒について歩くうち、ふたりとも元の場所に戻れぬまま、夜が明けて… 小川未明さんの文学調、昔風な硬い語り口で、内容がすっとんきょうなのが面白い。まじめくさった調子で読んでみたい。結末も全く救いがなく、お説教がましくなくて良い。小学校中学年でもよいが、高学年でも十分楽しめるだろう。私のお気に入りが一つ増えました。