舞姫 (まんがで読破)

レビュー

格調高い文体に対する食わず嫌い

森鴎外の文体は、明治の文人の中でも格段に「カタい」。漢文のような言い回し、唐突な外来語の引用、句点・読点の打ち方などで表現される呼吸や間も、音読してみりゃ、いかにも明治の大日本帝国らしい文豪だなと感じざるを得ない。

そう言った所が、べらんめぇ調で語る夏目漱石作品と違って、読者の食わず嫌いが起きがちな森鴎外作品なんですけども、『舞姫』なんて元々が「国のカネで留学した将来有望なエリートが現地でかわいいコと恋に落ちて、さあどうしよう」という非常に現代的な内容ですので、漫画にすると実像がわかりやすくなります。
エリートとしての将来、国家に果たすべき義務、上司との確執、友人の心配、許されぬ恋・・・そんなこんなで明治の男は悩むのですw 
近代以前ならこんな悩みは無く、大正時代ならロマンに流れるでしょう。古い時代の美徳と新しい時代の個人主義、現実と理想の間に揺れまくっていた「近代の夜明け」に生きる青年を描いた一作。「文豪・森鴎外の作品だ」と身構えて読むより、漫画でサッと読んだ後で原典も読んでみようかな、と気軽に構えて良いのではないでしょうか。

ただ、作画レベルが少し残念。

おもしろい。

 おもしろいですね。
 ストーリー的にはどうも納得できない面もありますが、当時のエリート意識も垣間見えておもしろいと思いました。
 森鴎外の顔は頑固者の顔です。なので、小説もお堅いものでしかないと思っていました。しかし、なかなか重い題材を扱っているはずなのですが、ストーリーの骨格が軽く感じます。森鴎外とはこの程度の男なのだな・・・などと思ってしまいました。まあ、平たく言えば無責任な軽いヤツということです。・・・マンガのせいだからかな?
 小説を読んでおきたいと思います。
 日露戦争の時に、海軍のようにパンや肉食を勧めればビタミンB1が取れて多くの兵士を死なせずに済んだのに、変な意地と視野の狭さから陸軍の兵士に白米を食わせて「脚気」にさせて死なせた罪は重く、その責任をとらない体質は、小説にも現れているということでしょうか。

最後の救い

舞姫の漫画化。
実は原作をそのまま漫画化してるのではなく結構漫画オリジナルなエッセンスもあります。
エリスが豊太郎のことをぎこちなく「トヨ」と呼ぶあたりが
国を越えた恋愛を感じさせてくれます。
ドラマ中ではかなりしっかりした近代的な御嬢さんで
このギャップが面白いです。
あと原作よりも豊太郎の友人の相沢くんのウェイトが大きく
色々と豊太郎やエリスに関わる事によって原作では描かれていない
破局の真相も描かれています。

ものすごく絵は荒いのですが、生々しい生命力に溢れています。
この本のラストは原作には描かれていないオリジナルのラストですが
この絵が無ければ感動できなかったでしょう――どんな形であれ生まれてくる命は尊い。

きっかけになる本

テレビやネットで舞姫の話は知ってましたが、本は読んだことがありませんでした。
漫画だと読みやすいし、理解しやすいし、原作(活字)を読むきっかけになると思います。
何度でも読み返したくなります。

話は決められたレールを踏み外さない(はずすのが怖い)エリートの太田と貧しい踊り子エリスの悲恋の話。愛か出世かと考えさせられるお話です。

ただ絵がきれいではないので星は4つです。

これはおもしろい。現在でも十分に通じる。

この本には、時間をたつのを忘れてぐんぐん惹きこまれます。
森鴎外の舞姫というと、女に追いかけられるドイツに留学生という知識しかなかったのですが、読み進めていくうちに、筆者の心の葛藤が見事に描かれています。
いつの時代も同じようなことで人間は悩んでいたんだなと思いました。
特に、一流大学に行った男性に読んでもらいたいです。
他人のしいたレールの上を走っていく筆者の心の葛藤と女性の素晴らしさがよく分かります。
30分程度で読める、まさに傑作です。