黄塵の中―かえらざる戦場 (光人社NF文庫)

レビュー

武勇伝は読みたくない

 インパールや黄土地帯、石垣島などで戦った元兵士を丹念に取材をして、事実に基づいて書かれています。
手柄欲しさに敵陣に突入し、中隊を全滅させてしまった大隊長
島の女を内縁の妻とし、捕虜を惨殺してしまった副長
武勇伝よりこういった人間的に弱い軍人たちの方がリアリティがあります。
一番のおもしろかったのは「幼女の眼」。
猫取りに行った兵隊が少女の恨みを買ってしまうというほほえましささえ感じる作品でした。