犬神乙女

レビュー

6篇すべて果たし合い

 作者が昭和62年から平成6年までに雑誌に掲載した時代小説が6編収められています。後半になるほど面白さは減じていきますが、前半の3編は大変面白いです。
 すべての短編が、師や女の仇討としての果たし合いを描いています。そこには当然武士の体面や血しぶきが飛び散る命のやり取りがあります。
 登場する女は楚々として美しく、男は凛として欲がなく、美しく生きたいと願う人々の中には気品が漂います。