抵抗論―国家からの自由へ

レビュー

方向が違う

 まず、今の政治に対する著者の考えには大筋では賛同することを最初に書いておこう。どうして辛い評価になるのかは、その実現の仕方に大いなる抵抗を覚えるからだ。
 市民的不服従は現代社会、とくに日本においては基本的に無効だと考えている。それは残念ながらいまの日本人は民主主義を実現するための熱意も知識も知恵も欠けているからである。とくに、「下流」と呼ばれる新しい階層において、自分たちの生活を基本的によくすることのない政党を熱狂的に支持するところに、この構造がどうしようもないことが露骨にあらわにされている。
 変えなければならないところはまず投票行動なのだ。そしてシステム自体の「歪み」である。憲法改正論議が盛んだが、そもそも憲法に定められている基本的人権は守られていないし(刑事訴訟法は反憲法的な法律である)三権分立も日本には存在しない。最高裁の人事を内閣が握っているからである。ロック的な市民的不服従では政治は変わらない。至難のわざだが、まず世の中をしっかりみて、一票に訴えることのできる成熟した市民を養成しなければならない。自分の属する団体の言うがままに盲目的な投票行動をする人間が人口の一割もいる国ではそれがほとんど実現不能なことは残念ながら認めるけれども。

抵抗する意思を大切に出来る本です

最近の日本国の国政の流れに憂いを持っている人は是非読んでいただきたい!!日本人はもっと怒りを! もっと自由を! と叫ばないのかと思うでしょう。自衛隊派兵、憲法破壊…。あらゆる人間的価値が崩れてゆく危機の淵を見とおし、日本人として、一人ひとりの、体の内奥からの「抵抗」を呼び起こす・・・そんな本です。

今、読むべし。文庫化まで待たずに。

柔らかく包囲されている感覚。
それでも包囲されていることには気づいていて。

全ては顕在化しない。
目を凝らしてもなかなか見えてこない。

敵がわからない。
抑圧も感じない。

けど、何だかおかしい。

そんな気分を、なかなか下がらない微熱のように持ちつづけている方に。

今、読んで下さい。

言葉に出して露骨に言うべき事ではないでしょうそれは。

国があり人が国に生まれている限り国家の法支配から国民が開放される日々など永久に来ないと思ってます。第一それを否定したら民主主義も法治主義も成り立ちません。そりゃ憲法学説には「抵抗権は如何に国家が法律で規制しても禁止しても絶対に保証されねばならない自然法上の人類必然の権利」として認められていますが第一それが通ったら革命達成。その経過で当たり前に軍隊と国民の闘争があり血が流れます。それにわが国では「和をもって尊ぶ」文化。争いを避ける文化なのです。当然それが通った歴史はありません。そりゃ自分が「そう思うだけ」の思想、宮崎駿氏のような所謂「純粋左翼」ならよいですが少しは自分の言動に責任を持って欲しいです。世界は理想主義で成り立ってませんから。所詮国家と国民は「究極的に」対立する概念。誰も革命起こしてまで死にたくないです。本音では。極めて理不尽で残酷な社会です。…辺見 庸氏はいつからこんな怪しげなタイトルの本を出す様になってしまったのだろうか。昔の随筆を書いていた当時を知っている私にとってとても残念でなりません。眼を覚まして欲しいです。星三つ。

抵抗三部作

「永遠の不服従のために」「いま、抗暴のときに」に続く、著者渾身のエッセイ集。新聞・雑誌に掲載された文章を加筆・改稿したものがほとんどだが、「世界」3月号に掲載されたばかりの「抵抗はなぜ壮大なる反動につりあわないのか」も加筆の上掲載されている。読みごたえがあるのは、50ページの書き下ろし「憲法、国家および自衛隊派兵についてのノート」である。ブッシュ・小泉・石原らに代表され、かれらを支える多くの人々が作り出す草の根ファシズムともいうべき現状に、暗澹たる思いといらだちをおぼえる人も多かろう。著者の苦悩もまた深い。今われわれがこの現実をどうとらえ、何をなすべきか。そのための必読書といえる。