- 書名: 抵抗論―国家からの自由へ
- 作者: 辺見庸
- 出版社: 毎日新聞社
- 出版日: 2004-03
- 定価: ¥ 1,470
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レビュー
方向が違う
まず、今の政治に対する著者の考えには大筋では賛同することを最初に書いておこう。どうして辛い評価になるのかは、その実現の仕方に大いなる抵抗を覚えるからだ。市民的不服従は現代社会、とくに日本においては基本的に無効だと考えている。それは残念ながらいまの日本人は民主主義を実現するための熱意も知識も知恵も欠けているからである。とくに、「下流」と呼ばれる新しい階層において、自分たちの生活を基本的によくすることのない政党を熱狂的に支持するところに、この構造がどうしようもないことが露骨にあらわにされている。
変えなければならないところはまず投票行動なのだ。そしてシステム自体の「歪み」である。憲法改正論議が盛んだが、そもそも憲法に定められている基本的人権は守られていないし(刑事訴訟法は反憲法的な法律である)三権分立も日本には存在しない。最高裁の人事を内閣が握っているからである。ロック的な市民的不服従では政治は変わらない。至難のわざだが、まず世の中をしっかりみて、一票に訴えることのできる成熟した市民を養成しなければならない。自分の属する団体の言うがままに盲目的な投票行動をする人間が人口の一割もいる国ではそれがほとんど実現不能なことは残念ながら認めるけれども。
抵抗する意思を大切に出来る本です
最近の日本国の国政の流れに憂いを持っている人は是非読んでいただきたい!!日本人はもっと怒りを! もっと自由を! と叫ばないのかと思うでしょう。自衛隊派兵、憲法破壊…。あらゆる人間的価値が崩れてゆく危機の淵を見とおし、日本人として、一人ひとりの、体の内奥からの「抵抗」を呼び起こす・・・そんな本です。
今、読むべし。文庫化まで待たずに。
柔らかく包囲されている感覚。それでも包囲されていることには気づいていて。
全ては顕在化しない。
目を凝らしてもなかなか見えてこない。
敵がわからない。
抑圧も感じない。
けど、何だかおかしい。
そんな気分を、なかなか下がらない微熱のように持ちつづけている方に。
今、読んで下さい。


