パーフェクト・ブルー (創元推理文庫)

レビュー

登場人物の役割設定の巧みさ

その小説が面白いかどうかを確かめるには、『もう一度読んでみる』事だと思っている。
途中で放り出してしまうか、最初と同じように感動するか、2度目は、ちょっと異なる琴線に触れるか、だ。
このパーフェクトブルーを読んだぼくの場合は、『2度目は、ちょっと異なる琴線に触れる』というものだった。

もともと、テレビの2時間ドラマの犯人にも気がつかないタチなので、宮部みゆきのミステリーの犯人が分かるわけもなく、結末でびっくりするのだが、そんなことととは異次元の動揺がある。

他の小説にも見られる、必ず1つは入れる社会への警鐘は愛嬌だが。
登場人物の役割設定の巧みさ。拡がった話のまとめ方。
もう、それは松本清張や三島由紀夫に並んでいる。

爽やかで軽やかなミステリ。

家族経営の蓮見探偵事務所が舞台。

行動的で人情に厚い調査員、加代ちゃん。

彼女の妹で、まだ高校生ながら家事の得意な糸ちゃん。

二人を見守る暖かい所長のお父さん。

元警察犬で加代ちゃんの用心犬、マサ。

事件はある夜、高校野球界のスターが殺されて、

マウンド上でガソリンをかけられて焼かれるという悲惨な事から始まります。

彼の弟である問題児(でも一本気でカワイイ☆)、進也くんとともに真相を探るうちに、

他校の野球部や、過去に関わった製薬会社など様々な事件に巻き込まれます。

そしてそれらが全て犬のマサの視点、一人称で語られていきます。

なんかいろんな事件が起こるけど、実際に解決の伏線やミスリードに繋がってなかったりもして、

ちょっと全体的にごちゃっとした印象があります。

でも、蓮見家のみんなやマサ、進也くんのキャラクターがとても立っていて、

飽くことなく最後まで読めると思います。

ちなみにこのマサが語るシリーズ、続編で短編集も出ています。

『心とろかすように』(創元推理文庫)、こちらもオススメ☆

さわやかさを失わない青春小説

1989年に書かれた宮部さんの長編デビュー作。
ということは21年前の作品だが、まったく古さを感じさせない。
「犬の一人称」ということもあって、軽妙な語り口で語られ、
ユーモア漂う作品となっている。
しかし、その軽妙な語り口とは裏腹に、テーマも事件の描写もどれも深刻で悲惨だ。
事件の顛末にもどこか救いがないのだが、それでもこの作品が暖かさややわらかさを
失っていないのが宮部さんのすごいところだと思うのだ。

WOWOWで見ての感想

WOWOWで見ました。優秀な高校野球球児の息子が謎の焼死。
色々な人物の視点からこの事件を章に区切って展開される。

感想としてはちょっとストーリーの中身の濃さからしたら
長すぎるかな。ちょっとややこしいし分かりにくさもある。

でも色々な人物の視点から一つのことを見つめる展開は
なかなか良く出来た内容だと思う。

人を思う気持ち・・・

 テンポがよくて、なかなか面白い小説でした。

 夏の甲子園の最中に読むことをおすすめします。