小川未明集―幽霊船 (ちくま文庫 ふ 36-9 文豪怪談傑作選)

レビュー

いまいち

東雅夫さんが編纂したものはほとんど読んでいるが、
これはいまいち。
似たような話が多い。
読破するのがツラかった。


過剰な脚色

文章がだらだらと長く、句点、情景描写、修飾語が多すぎ、ひとつの文で主語が変わる。
現代文としては悪文の範疇。
100年近く前の作品なので古い言葉や読みなれない漢字が多いのはやむえない。
哀しい、貧しい、暗い、周りの人の心にゆとりがないといった感じのストーリーが多い。
そんなところに関心を持つのが未明の性格、心情か。
多く使われる形容詞に「厭らしい」があるが、この本も厭らしさを感じないではない。
読んでいて疲れる。

幻想怪奇マニアのための贅沢な時間

このシリーズはほとんど読んでいるが、子供のころの恐怖を書かせたらこの人の右にでるものはないのではないだろうか?

かくれんぼで遅くまで遊んで井戸の底から見あげる夕の星、嵐の中、両親を待つひとりぽっちの子供の焦燥感。誰もいない廃屋、帰りたいのに帰れない恐怖。

ホラーマニアにとって、極上の時間を過ごせる珠玉の短編。