舞姫 ヰタ・セクスアリス―森鴎外全集〈1〉    ちくま文庫

レビュー

付き合ってらんない

鴎外の歴史小説前の現代物、特に短編はイライラします。
作者の腰のすわりが悪い。自然主義文学に対する批判精神も中途半端だ。おまけに鴎外の自己戯画化が作品の格調を低めている。
そんな鴎外が、僕は大っ嫌いなのです。もしこの巻で鴎外につまづいたかたがあったら、全集の四巻・五巻を読んでみてください。寸分の空きもない歴史小説を読者は体験することでしょう。例えば、「じいさんばあさん」、歴史小説では無いけど「二人の友」。
日本語の真の威力と言語の魔神としての鴎外を読書は発見するでしょう。
そして出来るなら、一人でも多くの人が「渋江抽斎」を読んでもらいたい。
最上の玉露のような日本語が此処にあります。
なんか中期・現代期の鴎外をけなしてしまったけどひとえに鴎外の歴史小説・史伝を好むかたが増えてくれるようにとこけの一念です。

意外と良い

文学界の巨匠に『意外と良い』なんて厚顔無恥にも程がありますが、
学生時代に読んだと時の「読みにくい文体やなぁ...」という先入観があったので...
しかし、今回機会があって改めて読むと、脚注が豊富で読みやすく、
「なるほど、深い!」とあいなりました。
食わず嫌いな方も興味のあまり無い方も、この全集は読みやすいです。
また、当時の雰囲気も感じられ、非常に感銘を受けました。
いやホント、個人的にはかなりイケてます。