- 書名: 日本史集中講義―点と点が線になる (祥伝社黄金文庫)
- 作者: 井沢元彦
- 出版社: 祥伝社
- 出版日: 2007-06
- 定価: ¥ 670
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レビュー
聖徳太子が生きている。
過去と現在はつながっている。
日本人が持つ考え方・メンタリティも
何もかも連綿と続く歴史が紡いできたもの。
まさか現在でも「十七条憲法」の精神が
日本に受け継がれているとは。
歴史は暗記ではない。
歴史の面白さは、ただの歴史的事実の叙述を超えて、事実のつながりや評価に立ち入ってはじめてわかるものだ。なかなか学校教育ではここまで到達できない。
本書は、事実のつながりと歴史を学ぶときにおける基礎知識の大切さを強調している。
前者では例えば、織田・豊臣・徳川の連続性を示したり、公家と武家の併存関係など、もろもろの事象の関係を叙述している。
また、後者では、例えば南京大虐殺を例に挙げている。それによれば、もともと人を殺すと問題となるのはとてつもない悪臭であるという。したがって、大量に人を殺そうとする場合には、これが絶対に問題になるので、被殺害者に埋めるべき穴を掘らせてから殺すということを徹底して行った国や民族もあるとのことだ。この悪臭の問題からいっても、南京大虐殺はなかったのではないかというのが著者の叙述である。
暗記から、考える歴史への橋渡しとして優れた本だと思う。なお、歴史そのものについては、文春新書から出ている『歴史とは何か』が出色の出来ばえだと思う。本書とともにお勧めしたい。
タイトルに騙されてはいけません。
「日本史集中講義」お堅いタイトルだが、中身は実に分かりやすい。
教科書にゴシック体で出ていた言葉が、生き生きと頭の中に入っていきます。
特に自分は武士の起こりについて書かれているところが面白くて何度も読みました。
井沢さんの歴史観を垣間見る入門書のようなものだと考えてもらいたい。
日本人の考え方の流れがわかります
中国残留孤児がなぜできたか?という1行に引かれて読み始めました。
実際、その理由は最後の方にほんの少ししか出てこないのですが、それまでにはこの本の本来の目的である、日本社会の歴史的変遷のなかでの「歴史的事実の捕らえ方、というもののとりこになっておりました。
大河ドラマでも信長が僧侶を惨殺(の命令を)する場面は、たいてい信長の「狂」的部分の特徴的な描写として描かれている事が多く、そう思っていましたが。。。
それ以外にも、日本で合議制がこれほど浸透している意味もナットク。
次は、「逆説の日本史」のも挑戦しよう!
真の知の探求とは
日本の歴史教育の現状を、彼は「群盲、象を語る」と評している。
何故、武士が興ったのか・・・
何故、朝廷と幕府が共存できたのか?
そういった「流れ」を理解しないと全体が見えないのだと
彼は言う。
それが「点と点が線になる」という副題になるわけだ。
僕は、中学生の頃、読み漁ったのが司馬遼太郎であり
吉川英治であり、そういう歴史小説でありました。
それぞれ小説の記憶が、その根底の流れの理由が明確に見えてくる・・・。
井沢氏の代表作には「逆説の日本史」シリーズがあるが
そのエッセンスを抽出したのが本書である。
彼の書物から受ける印象は、とても柔らかい。
文字からその「ひとなり」が伺えるのである。
実際に井沢氏と会って彼の印象を肌で感じているだけに、
その印象と、全く変わらない。いや、逆にそれがあるので
先入観が優先されているのかもしれないが・・・。
穏やかで柔らかく、それでも、しっかりした意思を感じるのです。
この作品は、難しいことなど何も書いていません。
中学生でも理解できる内容になっています。
見えなかったコトが見えてくる点においては、
先に読んだ「ユダヤ・キリスト・イスラム集中講座 」とまったく同じです。
知の探求の面白さを実感できる、1冊です。
