レビュー
最高の八犬伝
山田風太郎の忍法帖シリーズが大好きなのですが、忍法帖以外の作品も読んでみたくて購入しました。忍法帖もそうなのですが、これも読み出したら止まりません。「虚」の世界で里見八犬伝の物語を、「実」の世界で作者滝沢馬琴の生活を交互に描いていきます。上巻では虚の世界のあまりのおもしろさにどんどん引き込まれていきます。下巻になると、虚のおろしろさが少し失速するのと逆に実の世界での馬琴の苦悩が深まっていき、最終的に虚が実に、実が虚にというような感じの精神世界を見事に表現しています。山田風太郎の才能に関心せずにはいられません。