- 書名: みだれ髪―チョコレート語訳 (河出文庫)
- 作者: 俵万智
- 出版社: 河出書房新社
- 出版日: 2002-07
- 定価: ¥ 525
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レビュー
脱帽
やわ肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君あまりにも有名な与謝野晶子の歌を、俵万智が訳すとこうなります。
<燃える肌を抱くこともなく人生を語り続けて寂しくないの>
ほかに、個人的な好みで抜粋すると、こんな歌はいかがでしょう
みだれ髪を京の島田にかへし朝ふしてゐませの君ゆりおこす
<朝シャンにブローした髪を見せたくて寝ぼけまなこの君ゆりおこす>
ふしませとその間さがりし春の宵衣桁にかけし御袖かつぎぬ
<おやすみを言って別れた春の宵あなたのシャツに顔を埋める>
古文だと分かりにくい歌も、現代語に訳すと、なんだ、今も昔も恋する心は同じだと思え、与謝野晶子をとても身近に感じます。
最後にもうひとつ
消えむものか歌よむ人の夢とそはそは夢ならむさて消えむものか
<この恋が消えてたまるか歌よみの一時の夢となってたまるか>
晶子の気迫と情熱を感じ、とても好きです。ただし、原文のままだと主語が何なのか分からず、歌の意味がよくわかりません。
みだれ髪が発売されたのはほぼ百年前。百年たつと日本語はこんなにも変わってしまうのです。与謝野晶子の歌に手を加えるなどもってのほか!という批判を覚悟の上で、あえて俵万智流現代語(チョコレート語)に訳すという勇気ある挑戦に、脱帽です。
すごく期待していたのですが。。。
本来、俵さんの歌はとても好きなのだが、この本は与謝野晶子さんの「みだれ髪」を訳した(?)という形をとっているため、作者の個性が生きず何だか無
理していると感じてしまった。
やはり、本人の感じたものを、その人の感性で書いた歌の方が読者に感銘を与
えるものなのだと思った一冊でした。
