人間臨終図巻〈1〉 (徳間文庫)

レビュー

死ぬのは嫌だと思うため

死ぬのは嫌だと思うためこの本を読んで欲しい。
風太老翁は、
多くの著名人の臨終の姿を書きながら
何度自分の死を思っただろうか。

理想的な死などあるわけはなく
死ぬのは嫌だと思うのみである。

死んでもいいなどとは思わないことである。

死を選ぶ人のことに思いを致し、少なくとも、
自らは死を選ばないことである。

かっこいい死に方はできない。

こんな凄い人まで、空しい死に方をするんだなあと絶句。

真の聖書

もう山田風太郎にはビックリですよ。
生きる事と死ぬ事をここまで綺麗に、かつ知識的に羅列できるなんてもう

900人にもおよぶ人間の生と死。
見えないはずの分厚い壁に、圧倒的迫力で迫られた気分です


これはワンピースとともに私の人生のバイブルになりそうです

生き生きと生きるために

あるエンディングノートの巻末に「著名人死亡年齢一覧」が付録として付いており、それがあまりにも興味深く、人間の享年というものに関心を持った。そこで本書を読んだわけだが、非常に感動した。その人間の価値は死に様に表われると思った。この第1巻では、比較的、若死にした人々が登場するが、本来はもっと生を得て歴史に跡を残すはずの人々の無念の最期に心を揺さぶられずはおられない。本書は、われら凡人が生き生きと生きるための必読書である。

人生の与えられた時間を考える

人間の没年と死を網羅的に書き連ねた、この文庫本を,本屋の棚で垣間見た時、少し悪趣味か?と思った。が、真に生きるという事を良く噛み締めて見ると、悪趣味どころか、今、この人生を生きている全ての人間に、重要で且つ必要なものである事が納得される。短い人生も、長い人生もある、然しこの図鑑を読んでいると、人生の価値は長さだけで計れるものではない。

図鑑は、詰る所、享年で分類された歴史に名を残す人物の生涯を、その死の側から生きた人生を照らし出している。醜悪な死もあるが、死がすべて醜悪だとは思えない。いのちは、生まれ,そして死に行く、それは世の摂理に合うものだ。様々であろうが、人はいつの頃より、己の死を意識しそれを自然な事実として受け入れる心構えが出来るのであろうか?。息をして毎日を暮らしていても、生きているとは言えない時間を暮らして居る者も有る。

また、この本は、その死に際を描いて、その生き方に、読者は新たなる感慨を得る。そして、その人物を改めて評価する縁となりえるものであった。この臨終図鑑は、結局のところ死を語って、本質的には生を語るものだと思う。私たちが何故に、何のために、この世界に在るかと云う事の、不思議をつくづく感じる本でもある。そして、人生を良く生きるには、暗に、「如何なる覚悟が不可欠か」を黙示的に説いている様に見える。