- 書名: 楽園 上 (文春文庫)
- 作者: 宮部みゆき
- 出版社: 文藝春秋
- 出版日: 2010-02-10
- 定価: ¥ 700
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レビュー
下巻への伏線
見えないものが見えてしまう苦しさ、混乱‥
12歳の萩谷等くんにとっては
抱えきれないほどの懊悩だったことでしょう。
交通事故死した等くんが描いた、
『風見こうもりのある家の床下で眠る冷たい灰色の少女』の絵。
死後に発覚するこの事件をなぜ生前に描くことができたのか?
さらに私の背筋にぞわりと恐怖が走ったのは
等くんのノートに描かれた《山荘とワイン》の絵!
これは宮部さんの代表作『模倣犯』の
連続誘拐殺人事件の現場ではないか!
どういうことだ、いったい?
宮部さんは何を言おうとしているのだろう?
等くんの予知能力の真偽・床下に我が子を埋めていた善良な夫婦‥
『模倣犯』で傷を受けた前畑滋子の登場‥
疑問を投げかけながら下巻へ進みます。
宮部みゆきはやっぱり現代もの
模倣犯の続編というより、前畑滋子スピンオフ 面白かったです。
ひとつだけ難点をあげるなら、導入部で重要な話になっている「あの事件」で
サイコメトラーは、「誰と接触したのか」について「あいまい」でも言及が
なかったことです。
模倣犯の後味の悪さが消えました。
本作は映画化された「模倣犯」の続編となります。
流石の宮部みゆきで、当然のように面白かったですが、
何より嬉しかったのは、「模倣犯」の後味の悪さが解消されたこと。
「模倣犯」はエポックな作品であったものの、私個人としは好きな作品ではありませんでした。
私と同じように、「模倣犯」に後味の悪さを覚えた人には強くお勧めします。
過去に苦しむ主人公に共感しつつ、あの苦い読後感を解消して下さい。
下巻にどう続くんだろう
「模倣犯」の「スピンオフ」と解説ではなっている本書であるが、
私には、宮部みゆきが「模倣犯」越えに挑んだのが本書であり、
「模倣犯2」とも言うべきものに思える。
それだけ「模倣犯」とのつながりが強く、
「模倣犯」を呼んでいないとわけがわからんという事態に陥るだろう。
この上巻は、「模倣犯」とのつながりを書き連ねるだけに終わってしまう。
断章で事件の予感を感じさせるものの、この上巻は、宮部みゆきの「迷い」以外の
何者でもないように思える。
彼女の筆力で読ませはするし、そこそこ面白い。
だが、「迷い」というか「あがき」しか感じ取れない。
☆4つつけてこのレビューもどうかと思うが、正直な感想である。
ただ、模倣犯を読んだ方にはおすすめするが、未読の方はまず模倣犯からどうぞ。
たいしたもんです
模倣犯、超能力、娘殺しこれを結びつけて物語にする。
たいしたもんです。
で?ていう。
