冬の水練 (文春文庫)

レビュー

文章を綴ること

精神を病んだ著者の書き下ろしエッセイです。
一時期に比べればかなり回復していることが読んで取れます。いつまたその病が再発するかと怯えながら、医師として、作家として過ごす日々を描いています。
文章を綴ることを、「哀しい作業であるが、『わたし』を保つために、やめられない」という思いがしっかりと伝わってくる本でした。

たくましくなった著者に期待

折に触れ書きためられた書き下ろしエッセイ集。
心の奥底に手を突っ込んで暴き出すような痛々しい作品の数々を見てきた身には、
薄皮を剥ぐように、徐々にたくましくなって行く著者の姿が垣間見られるのは、とても心強く思われます。
最後は、山に登り、水泳にチャレンジする前向きな姿で終わります。
変貌した著者の次作を読みたくなります。