- 書名: 自来也小町―宝引の辰捕者帳 (文春文庫)
- 作者: 泡坂妻夫
- 出版社: 文藝春秋
- 出版日: 1997-06
- 定価: ¥ 460
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レビュー
惨劇の後に
1994年に出た単行本の文庫化。『鬼女の鱗』につづく、「宝引の辰捕者帳」シリーズの第2弾。
7篇が収められている。
各話ごとに語り手が変わるという趣向が面白い。語り手を取り巻く人間関係が中心となり、主人公たる「宝引の辰」は脇役の扱いとなることも。こういうのも面白い。
捕物帳としては、バランスの良い作品だと思う。人情、トリック、江戸の風物、奇想がそろっており、しかもどれかに偏ることがない。安心して読めるシリーズだ。
ミステリとして光るのは「夜光亭の一夜」。単純だが、効果的だ。また、別の作品の主人公の先祖らしき登場人物も。
物語としての巧みさでは、「忍び半弓」が良かった。思わずニヤニヤしてしまう。
