- 書名: 自動起床装置
- 作者: 辺見庸
- 出版社: 文藝春秋
- 出版日: 1991-08
- 定価: ¥ 1,020
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レビュー
行間に込められていること
第105回芥川賞受賞作品の『自動起床装置』と『迷い旅』を併録している短編集。まず、『自動起床装置』は115ページと短くとっつきやすい。主人公は眠りという生理行動を遮る「起こし屋」という仕事をしている。その主人公は仕事のパートナーの影響によって「眠り」ということについて様々なことを感じ、考え始める。
「眠り」というものは起きている状態より大切でデリケートなものであり、それを人間が遮るには物凄く労力を使う。それにもかかわらず、「眠り」を自動起床装置という機械を使って妨げることはどういうことなのか…
文章の表面には出てこないが、行間で現代へ警鐘を鳴らしていると思う。
普段「眠り」ということについて考える機会はほとんどないため、本作品を読んで、「眠り」ということについて考えてみるのも良いと思う。
次に、併録されている『迷い旅』はカンボジアの戦場にむけての旅を描いたもの。旅のきっかけや理由とはなんなのかということを考えさせられる作品である。
ソレデハ…
起床って大事ね。
自動起床装置、実際にあるのを随分前にテレビで見たような気がします。確か、電鉄会社など、夜勤、宿直があるような所で目覚ましに使われていたような。。。
それはさておき、このお話に出てくる、『起こし屋』。私もすっきり爽やかな目覚めを体験したいものです。
お話は、読後すっきりしない感がありましたが、途中の話の流れがとてもよかったです。
自然と人工の関係性について探る
辺見庸氏の芥川受賞作、他一篇を収録。主人公は企業の仮眠室で起こし屋のアルバイトをしている。バイトの先輩聡は起こし上手だ。色々な眠りの形を観察しながら働いていたある日、「自動起床装置」の導入が決定され…。
眠りと覚醒という生物にとって自然で根源的な営みを、人工的に管理することの不自然さが描かれており、分単位で生活を規定されている現代人のストレスについて考えさせられます。文明の進展の結果として人間が生活しにくくなっているのであれば、これほどの皮肉はないでしょう。
所収のもう一篇「迷い旅」は、内乱のカンボジアの奥地へと入り込んでいく記者の姿を幻想的に描いた作品。
