小説家の内緒話 (中公文庫)

レビュー

小説家の内面を垣間見る

大好きな女性二人の対談集と聞いて、即買いしてしまった。
軽く読める対談集だと思いきや・・・良い意味で期待を裏切られた。
これほど年が離れている二人なのに、作家として根底に流れているものは共通していているように感じた。
詠美さんが寂聴さんをリスペクトしているのはわかるが、寂聴さんも詠美さんをリスペクトしていて、寂聴さんの懐の深さ、柔軟さには驚いた。
寂聴さんの本は濃厚で苦手意識があったが、この対談集を読んで読みたくなった。

二人の「私小説」「女と男」についての意見はとても興味深い。人生経験豊富なお二人だからなおさら。

寂聴さんの「芸術家は才能があるかないかで、努力なんてしたってダメ」という言葉が印象的。
小説家を目指している人は、この対談集から何か得るものがあると思う。
薄っぺらい本だが、読み応えは十分。

山田詠美さんの知らなかった部分も

山田詠美さんは聞き手です。
それでも、今まで山田詠美さんのエッセイでもわからなかった、知らなかった部分がわかります。
会話分量としては、瀬戸内さん75〜80:山田さん25〜20ぐらいでしょうか。
山田詠美さんの知らなかった部分を知りたい人、瀬戸内寂聴さんのことをよく知らない人などはいいのではないでしょうか。

詠美ファンなら買わなくて、よし。

山田詠美さんが大好きで、買いました。
でも、表紙にもあるように山田詠美さんは「聞き手」なんですね。
確かに山田詠美さんの新たな側面が少しは見えた感じもしますが、
山田詠美ファンなら読む必要はないかも知れません。
あまりにも瀬戸内さんが饒舌で、
ホント 山田詠美さんは「聞き手」に徹しているので。

瀬戸内さんの小説で卒業論文を書くような人なら買い、かも。
山田詠美ファンは買う必要はないと思います。

2人の小説がまた読みたくなる一冊

瀬戸内寂聴と山田詠美の対談集。あくまでもメインは瀬戸内寂聴で、小説家としても、恋愛経験の豊富さでも大先輩の瀬戸内寂聴の話を後輩・山田詠美が真摯に聞いています。

 2人とも年齢さを超えてお互いをリスペクトしあってるってのが、言葉に滲み出ている。2人ともこの対談の時間を待ち望み、楽しんだというのが感じられる。

 この対談集で山田詠美自身、長編は書くのが苦しいと語っていた。作者が苦労した分、搾り出した、濃縮した一字一句が読み手には面白いんだろう。ところで、私は瀬戸内寂聴の小説を一度も読んだことがない。私にとって瀬戸内寂聴は、小説家よりも尼さんという印象しかなかったけど、若いときはかなりお盛んだったらしい。2人ともデビュー当初は、性描写が時代にマッチせずに、バッシングを受けた。結局、作家として今も生き残っているってことは、普遍的な内容だったのだうし、対照的に思える2人は、とても似ている2人だと思えた。こんなに真面目に小説に取り組む2人の小説がまた読みたくなる一冊。

思わずにんまり

自由に生きている二人が、世代を超えて語る恋愛、人生、作家としての人生。
思わず笑ったり、にんまりしたり、うなずいたり。
二人の魅力が思う存分に味わえる。