保科正之―徳川将軍家を支えた会津藩主 (中公新書)

レビュー

手ごろな一冊

「保科正之とはいつの時代のどのような人物か」ということを知るには手ごろな一冊。会津ものを多く書いている著者の本だけに、贔屓の引き倒しのような発言には事欠かないが、それにいちいち目くじらを立てるのは野暮というものであろう。割り切って読むことをお勧めする。

ただ、第二次世界大戦末期に「保科正之ブーム」とでも呼ぶべきものがあった点をまったく無視している点だけは看過できない。これは近代会津の歴史観そのものに関わるポイントであるのだが、そのあたりの議論に関しては、中村彰彦には正直ほとんど期待できない。そこで、ここでは問題を指摘するにとどめておく。