- 書名: 生者と死者―酩探偵ヨギガンジーの透視術 (新潮文庫)
- 作者: 泡坂妻夫
- 出版社: 新潮社
- 出版日: 1994-10
- 定価: ¥ 460
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レビュー
消えた短編小説の復活
本そのものに工夫を凝らした、本事態がトリックと言えるものですね。ですが、その本のしかけだけがすごいというわけではありません。内容も面白い小説です。最近の再発行の流れを見ると、多分復刊されると思いますけど、今現在はちょっと高く売られていますね。そこは辛抱するしかないかも・・・
私のように1冊しか持っていなくて、短編小説を消失させてしまった人にご提案を・・・
文庫本は16枚折りで製本しますから、袋とじも16枚です。従って16p、32p、48p、64pと付箋をつけていけばそのページが消えたページです。
短編と長編をどの様に融合させているのか考えながら読むとまたさらなる面白さがあります。
空前絶後の仕掛け本
袋とじの状態で短編小説を読んだ後、各ページを切り開くと、長編ミステリが現れ、
それまでの短編小説は長編ミステリの中に埋もれて消えてしまうという超絶技巧
の仕掛けが施された本作。
執筆の際には、並大抵でない苦労があったと思いますが、それをことさらに
言い立てない、作者の職人としての矜持や心意気にただただ頭が下ります。
さて、本作では、短編と長編、二つの物語が楽しめるのですが、
それらのクロスオーバーのさせ方が読みどころとなっています。
登場人物の属性や役割を巧みに組み替えていく
遊ぶ心あふれる作者のテクニックには脱帽です。
あと、謎の超能力者が行った予言を、複数の意味
に解釈可能な暗号に仕立てている点も素晴らしい。
二冊買うのをお薦めしたいです
前作「しあわせの書」で赤字と言えるほど執筆が困難だったためか、今回は読者に二冊買わせようとする手段に出たのかも。
と、思ってしまうほどによくできています。ネタバレになるため詳しくは書きませんが。
自分は二冊買って比較しながら読み、その手法を楽しみましたが、他の方も同じ方法での読書をお薦めしたくなるような一冊です。
