- 書名: 向い風 (新潮文庫)
- 作者: 住井すゑ
- 出版社: 新潮社
- 出版日: 1982-09
- 定価: ¥ 500
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レビュー
「家」とはそこまでして守るべきものなのか?
夫の戦死の公報を受け取ったゆみは、暇をもらいたいと義父の庄三に
申し出る。だが、ひとり息子を失い家の絶えることを恐れた庄三は、
ゆみに自分の子供を生んでくれるよう懇願する。ゆみが母親となって
しばらくたった頃、戦死したはずの夫から手紙が!!戦後の混乱の
時代を力強く生きた女性の物語。
夫が戦死したあとに、夫の兄弟と再婚させられたりする話は珍しく
なかったという。それは個人より「家」が尊重されたことに他ならない。
この作品のゆみも、夫の「家」を守るための犠牲になったような気がする。
「家」とはそんなに大切なものなのか?北海道に生まれ育った私には
ピンとこないところもある。北海道は移住者が多い。だから家の歴史が
浅く、昔からの伝統というものがあまりない。そのせいだろうか?今でも
「家」を守るという考えがあると聞くが、時代錯誤的な考えに思える。
ゆみは単なる跡継ぎを生む道具だったのか?だが決して悲観的にならない
ゆみの強さに、未来への希望が見える気がした。
