- 書名: 注文の多い料理店 (新潮文庫)
- 作者: 宮沢賢治
- 出版社: 新潮社
- 出版日: 1990-06
- 定価: ¥ 460
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レビュー
自分のためから、子供のために、また自分のために
日経新聞の土曜の最後の面に紹介された記憶があり、その影響で購入したように思います。いずれにしても何かの書評によるものでした。宮沢賢治の作品としては、風の叉三郎、銀河鉄道の夜、セロ弾きのゴーシュという感じでしか知らず、あまり意味もわからず、変な作家というイメージでした。爆笑問題の大田さんが気に入っているようで、そこに潜む本当の意図、思想が深くあることがありそうだと思っています。エピソードも知るようになり、この作家が何を思い作品を作成しているのか、いまだにあるものの、自然を擬人化し、またよくわからないため、想像したり、記号化したりするなどして、とらえようを考えています。子供に聞かせるために読むと、また読みにくい。しかし、広がる自然の世界は何かありそうである。また、子供に読み聞かせるとともに、自分への原点回帰として、宮沢賢治の伝えようとしているメッセージを感じたいと思っています。
怪談。森の中の「人食いレストラン」?
「銀河鉄道の夜」「春と修羅」等と並ぶ宮沢賢治の代表作品。
料理店を訪れた2人の客に次々と出される「謎の注文」。
料理店側が2人を歓迎してくれているという客側の「勘違い」と、
その裏側で進行される「謎の料理店の真意」とは・・・・・・?
短編としての読み易さ・丁寧な言葉遣いに反して、読み終えた後に心に残る
「不気味さ」「奇妙さ」「恐怖」・・・・・・。
心の底から「怖い」というのとはまた違った、所謂「ちょい怖」とでも言うべき
「匙加減の絶妙さ」に酔いしれて下さい。
塾などで国語のテキストに最適です
私が子どもの頃、大変ワクワクした気持ちで読みました。大人になってから読むと、主人公の猟師、また化け猫などの様子も心理描写も分かるので更に面白いです。
この本は、塾などで国語のテキストに最適です。子どもたちは、始め メニュー(注文)が多い料理店だと思うのですが、最後、お店サイドの注文が多いということが分かってきて、興奮してきます。テキストとして、最適です。
賢治のドリームランド、「イーハトヴ童話」の素晴らしき哉
大正十三年(1924年)十二月に刊行された童話集『注文の多い料理店』全九篇(「どんぐりと山猫」「狼(オイノ)森と笊(ざる)森、盗(ぬすと)森」「注文の多い料理店」「烏の北斗七星」「水仙月の四日」「山男の四月」「かしわばやしの夜」「月夜のでんしんばしら」「鹿(しし)踊りのはじまり」)と、「雪渡り」「ざしき童子(ぼつこ)のはなし」「さるのこしかけ」「気のいい火山弾」「ひかりの素足」「茨海(ばらうみ)小学校」「おきなぐさ」「土神ときつね」「楢(なら)ノ木大学士の野宿」「なめとこ山の熊」の十の童話を収めた一冊。賢治の書いた素敵にきれいな序文からはじまる『注文の多い料理店』の童話集。これはやっぱりいいなあ、魅力的だなあと、改めてそう感じました。
最初の一篇「どんぐりと山猫」の話から、殊に次のことがいいなと思ったんですね。まず、話の中に出てくる色のイメージが鮮やかで、キラキラと輝いていること。次に、≪革鞭(かわむち)を二三べん、ひゅうぱちっ、ひゅう、ぱちっと鳴らしました。≫といった、擬音語の使い方に賢治のセンスが発揮されていること。さらに、その土地のなまりをそのまま使った、地方色豊かな雰囲気のあること。あるいは、話の全体に流れる音楽のようなリズム感の心地よいこと。などなど、本当に味わい深くて、色彩感と音楽性にあふれた童話だなあと思いました。
本文庫巻末の「(作品の)注解」ならびに、天沢退二郎氏による「収録作品について」記した文章が、実に的確で親切、そして充実したものだと感心しましたですよ。賢治が書いただろう『注文の多い料理店』の広告ちらしの文章ともども、この童話集の味わいを考える上で、とても参考になりました。
お勧めは「雪渡り」
「注文の多い料理店」は、
そもそも童話として意図されているので、
賢治の作品のなかではたいへん分かりやすい作品です。
山の中にある料理店、というだけ怪しい雰囲気を漂わせ、
その後は間抜けな客にハラハラ。
後半登場する山猫も「怖い!」と思わせます。
ストーリーがよくできています。
「銀河鉄道の夜」のような精神性への言及はありませんが、
よくできた童話のもつストーリーのメリハリとその卓越が感じられます。
お勧めは「雪渡り」。
子供に語りかけるような文体ですが、
本作は冬の農村を舞台にしたファンタジーです。
まさに賢治ワールド。
「こんなにシンプルなのになぜ余韻が深いのか」を考えてしまいます。
印象深い作品になっています。
ご一読を。
