- 書名: Y十M(ワイじゅうエム)~柳生忍法帖 7 (7) (ヤングマガジンコミックス)
- 作者: 山田風太郎
- 出版社: 講談社
- 出版日: 2007-06-06
- 定価: ¥ 560
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レビュー
芦名の陰謀。
会津入りを果たした十兵衛と堀の女達。七本槍の一人が倒され蛇の目は2つに。でも新たに登場した芦名銅伯と恐るべき陰謀と得体の知れない能力が語られ敵本陣で策に策を練らねば「死」が確実に訪れる、、、これからどう闘うのか?闘いは佳境に入っていきます。
天樹院も妖艶ですがおゆらの方も一見、無邪気そうであまり口数少なく美貌の下で何を考えているのかわからないので恐いです。芦名銅伯が百を越えているのならおゆらは一体いつ生まれたのか気になります。
「んふっ」と共に影から堀の女達を支える十兵衛も少しずつではですが本気の力をだしているので頼もしいです。果して沢庵和尚はどうなるのか、芦名銅伯の「幻法・夢山彦」とは!?次巻が楽しみです。
黒幕の正体、そして仇討ち第5ラウンド
山田風太郎氏の長編時代小説『柳生忍法帖』が、CGを多用した作風で知られるせがわまさき氏によってコミカライズ、原作の面白さと、せがわ氏の優れた描写能力との相乗効果により、非常に読み応えのある時代活劇となっている作品です。
前作『バジリスク〜甲賀忍法帖』が人知を超えた超人忍法バトルを描いていたのに対し、今作はずぶの素人が様々な協力者の力添えにて、強力な敵を討ち果たしていく様子を描き出している作品です。前作のような独創性溢れる忍法の応酬はないものの、何とか本懐を遂げようとする女達の一途さ、それにほだされた仇討ち指南役・柳生十兵衛の活躍、明確な悪役として位置づけられている敵将・加藤明成と芦名衆達の存在感等、充分に見所の多い作品となっています。
舞台は敵地・会津に移り、敵将は本拠地・鶴ヶ城に入城、奇怪なる黒幕と妖艶なる愛妾、更には屈強な芦名衆に周囲を固められるという非常に困難な状況の中、沢庵門下の僧侶達の助力も得つついかにして仇を討っていくのか?「会津・雪地獄篇」が始まります。
今巻前半では、主に敵黒幕の正体について描かれます。黒幕・芦名銅伯と沢庵宗彭の初対決や銅伯の昔語り等、興味深い内容ではありますが、敵方中心に展開されるため、十兵衛や女達の影がかなり薄くなってしまっているのは残念ですね。
後半は仇討ち第5ラウンド。標的は「鞭使い」、変幻自在の皮鞭を駆使し、見た目に反して比較的知性派の仇に対し如何なる策略にて望むのか?良妻賢母型で女達の中でも最も戦闘向きでない範疇に属するお沙和のとる行動に注目です。
巻末からは、全編を通じて最も凄惨な消耗戦「首合戦」が始まります。今巻は発端のみですが、この先の展開をどのように描写するのか、刮目して待ちたい所です。
なお一巻に一人ずつ女達を描いていたカバー絵ですが、第7巻という事で、7人の女達全てが登場した事になります。次巻のカバーがどうなるのかも注目ですね。
妖艶にしてあどけない魔女・おゆら、そして雪上に散る血花
尊い犠牲の上に会津入りを果たした十兵衛一行。
一方で憔悴しきった明成を迎えたのは、お国御前にして芦名銅伯の娘・おゆら。
濃厚なくちづけで殿を蘇生させ、あどけない笑顔を見せます。
本作最大のヒロインにして毒婦である彼女。原作のイメージ通りに描きあげたせがわ先生に拍手です!
この出迎えもあとも、なんとも悩ましい痴態を明成と繰り広げます。
堀の女たちもかすみ、さらにはストーリーすらわからなくさせるほど、お色気たっぷりです。
さて、おゆら様から本筋に話を戻しますと。
アクションでは表紙にもなったお沙和が活躍する吊り橋上の決戦、
今後の伏線としては銅伯と天海の呪われた絆がみどころ。
さらにおゆらと明成が犠牲と屍の上に築いた「会津雪地獄」、「氷の彫像」の残虐美も見逃せません。
雪深き会津を舞台に、血闘はますます加速していきます!
