- 書名: 柳生忍法帖(上)―山田風太郎忍法帖〈9〉 (講談社文庫)
- 作者: 山田風太郎
- 出版社: 講談社
- 出版日: 1999-06-15
- 定価: ¥ 800
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レビュー
十兵衛様、格好よすぎ!
会津藩、加藤氏の改易と家来堀主水との対立の史実を元に、領主に撃たれた従臣たちの家族(女7人)が、柳生十兵衛や沢庵和尚の力をかりて恐ろしき武芸の使い手たちに復讐をするという物語。
山田風太郎ワールド炸裂です。
とにかく自らの手で復讐を遂げんとする、女たちを見守る十兵衛の格好いい事。そして沢庵和尚や天界上人他の歴史上の人物もいい味だしています。
その他、敵たちの業のすごさと、それをとりまく登場人物、一級の娯楽作品です。
時代小説嫌いにこそ!
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やっぱり風太郎さんの作品は他の時代物、任侠物とは一味違う。
そう感じさせてやまない忍法帖シリーズの一つです。
普段時代物の小説を食わず嫌いしてきた人たちに是非とも読んでみてもらいたいくらいなんですが。
時代小説という枠から飛び出したような、本当にいい意味で、ライトな小説。
サクッと読めてしまうのも、風太郎さんの小説のマジックかと。
また今回の柳生十兵衛やその他大勢のキャラはもろもろキャラが立っていて、厭きさせない展開や話の筋も本当にまねのできないおもしろさです!
上下巻セットで買っても間違いはない、はず!
相変わらずラストは泣きますよ。
シリーズ中、ボリュームに於いて最たる本書だが、そのテンションはラストまで衰える事無い。
十兵衛は「魔界転生」よりも本作の方が、確り血の通った人間として描かれています。
又、敵する会津七本槍も単に奇抜な術を弄するキャラでなく描かれている点も本書に深みを持たせている要因ではないでしょうか。
十兵衛が強いのは当たり前としても、その十兵衛が江戸に会津に常に窮地に追い遣られます。
十兵衛が此処で死ぬ訳は無いと判っていても此処までピンチに追い遣られると流石にどう凌ぐのか読者を魅了して止みません。
そして、状況打破する様は痛快其のものです。
シリーズ他作でも歴史的人物が多く登場していますが、本作では天海という歴史的にも更に妖しげな人物も登場し大きく係わります。
そして、お決まりのラストはシリーズ中ピカイチの余韻を残してくれます。
極上のフルコース
長篇小説の面白さがこれでもかというくらい詰まっている。極上のフルコースを食べたような気分にさせてくれる一冊。
どれをとっても面白い風太郎作品の中でもさらに完成度が高い。
風太郎は日本最高の作家だと思います。
剣戟の響きが聞こえてきそうです。
柳生十兵衛、沢庵和尚、千姫など、時代小説ファン/山風ファンにはおなじみの面々が、今作でも続々登場。対する敵役も例によって強烈なキャラ目白押し。
加えて、この前篇は「なんで『忍法帖』?」と思っちゃうような、もろチャンバラ劇。
で、もうおもしろいったらありゃしない、のです。
そして、文字どおり剣が峰に立たされた女たちを助け、侠血の剣をふるう柳生十兵衛が、とにかくカッコいい。
丁丁発止の闘いをたたみかけるような筆致で描き、一気に読ませるあたりは、さすがです。
それでも〃山風〃なので、残虐シーンやお約束のエロも盛り込まれ、ともするとじとーっとなりがちですが、そこらへんを、柳生十兵衛というキャラクターによって見事に救っているのも、実にうまいですね。
