銀河鉄道の夜

レビュー

ため息がでる影絵

藤城さんの影絵が美しすぎます。
プラチスラバ国際絵本原画コンクール、金のりんご賞受賞のロングセラー絵本です。「銀河鉄道の夜」の物語は言うまでもなくすばらしいが、単なる画集と思ってこれを買っても後悔はしないでしょう!

本作品では、宮沢賢治の幻想的な物語の雰囲気がそのままに、
いや、ファンタジー度合いはさらに増長される雰囲気で出ています。

物語は絵本用に原作をコンパクトにした内容ですが、
要点は外さずに読みやすくなっています。
宮沢賢治の美しい日本語も多くがその雰囲気をそのままに残しています。原作とこれをいったりきたりしながら読むことで、宮沢賢治が伝えたかった世界観、真理の追究が味わえるのではないかと思います。
「人は何のために生き、何のために死ぬのか」
このテーマは、賢治が傾倒した法華経にも通じるのでしょう。


2008年で84歳になる藤城さんはまだ現役。
自分が小さいころにもおそらく彼の影絵作品は見たことがあると思うのですが、こんなクオリティの高い作品の良さがわかるようになったのはこの年になってから。

良いものは子供時代にこそ触れておくべきものだと思います。

絵本をこえた絵本

銀河鉄道の夜 大好きです。この本は藤城先生の影絵劇場にいるような気分になり、そのうちに本当に銀河鉄道に乗っているような気分になります。贈り物にもしています。

「かみさまからの贈りもの」

藤城清治さんの作品は、私は昔から大好きで、玄関に藤城さんの額を飾っています。

この「銀河鉄道の夜」という本は、妹に薦められて買いました。
とにかく、影絵の美しさに魅せられました。
いろんな色彩と光をたくみに操って描かれた絵には、息をのみました。
幻想的で、夢の世界です。

原作は宮沢賢治さんですが、藤城さんの文は、言葉の表現が影絵と同じくらい幻想的で美しいです。

かみさまからの贈りものだと思いました。

イメージがぐんぐんふくらむ銀河鉄道の夜

こちらでも大絶賛されている「銀河鉄道の夜」を買ってみました。
カラフルな影絵、読みやすい訳。
大絶賛通り、素晴らしい!
ついつい人に薦めたくなってしまいます。

息子に読んであげたくて買った本が自分の宝物になってしまいました。
小学2年生の息子も「すごい内容の本だね」と深く考えていました。
内容もすごいですが挿絵の影絵もまた素晴らしく、子供時代に息子は読むことができて
良かったと思っています。

読者の想像力を邪魔しないすばらしい影絵

とにかく、藤城さんの影絵が、ため息が出るほど美しい。
色つきの影絵が、幻想的な『銀河鉄道の夜』に、これ以上考えられ
ないぐらいピッタリ合っています。
私が藤城さんの絵を何より高く評価するのは、それが読者の想像力
を決して邪魔しないからです。
読者に固定したイメージを押しつけるのではなく、読者が想像力を
羽ばたかせる助けをしてくれる絵です。

私は賢治の『銀河鉄道の夜』を子供のころから何度も読み返しており、
この絵本を読む前に、各場面の自分なりのイメージをすでに持って
いました。
そして、そのイメージは、藤城さんの絵と必ずしも完全に一致する
わけではありませんでした。
しかし、藤城さんの絵は、私の自分なりのイメージを壊すことはなく、
むしろそのイメージを豊かにしてくれました。

一つだけ注意していただきたいのですが、この絵本の文章は、
賢治の原文そのままではなく、賢治の原文を藤城さんが短く縮約した
ものになっています。
ですから、賢治のオリジナルを読んだことのない方は、この絵本の後に、
ぜひ賢治の原作も読んでください。
その際にも、藤城さんの影絵のイメージは、あなたの読書体験を邪魔する
ことは決してないはずです。

ちなみに、本文が縮約されていない完全版の絵本をお求めの方には、
『銀河鉄道の夜』田原田鶴子(絵)(偕成社)
を強くお勧めします。
こちらも、藤城版に勝るとも劣らないすばらしさです。