よだかの星 (日本の童話名作選)

レビュー

組み木絵の素晴らしさ

よだかはみにくい鳥でみんなから疎まれています。
タカからも改名しろと脅されます。
自らの運命に絶望して、よだかは一直線に空に上り、星となります。
自らの力ではどうすることもできない欠点を指摘された時の切なさが、
心に染み入ります。
中村道夫さんの組み木絵が、材質のやわらかさと共に、
よだかの体温を感じさせます。
星に昇華していく姿に、宮沢賢治の童話の永遠性を感じました。

素晴らしい組み木絵

お話については、もう誰もがご存知のことでしょう。

個人的には、よだかがカブトムシを飲み込む時、のどを引っ掛かれながら、
自分の宿命を嘆き、苦しむシーンが頭から離れません。
悲しいけれど、とても心引かれるお話です。

それから「よだかの星」の本自体はいくつかありますが、
その中でこれは、中村道雄氏の組み木絵が素晴らしいです。

天然の板材を組み合わせて絵にしているのですが、とても美しい!
鳥の羽のリアルな表現、木の温かみと、圧倒されるほどの迫力。

絵本の絵としてだけでなく、作品集としても見ごたえがあります。