花と龍〈上〉 (岩波現代文庫)

レビュー

痛快な物語

この作品の最大の面白さは主人公の金五郎とマンというふたりの人物の魅力に尽きると思う。
お互い自分の夢を持ちつつ信頼しあってまっすぐに生きているふたりの姿に、読んでいるこちらまで
元気になってくる。二人を取り巻く女彫り物師や港湾労働者たちも生き生きと描かれ、
彼ら魅力的な登場人物たちが暴力団との抗争などスリリングな事件で活躍する様は
勢いがあって小気味いい。読んでいくうちにどんどん話に引き込まれ、とまらなくなる。
著者の両親がモデルのようだが、痛快な物語だ。