- 書名: ロダンの言葉抄 (岩波文庫 青 554-1)
- 作者: 高村光太郎
- 出版社: 岩波書店
- 出版日: 1960-07
- 定価: ¥ 945
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レビュー
繰り返し読みたい本
自然を訳出すことが芸術だとロダンは説きます。
すべての有機体は次を目指して動いています。
自然は常に動いています。
動くことが自然です。止まっているのは不自然です。
だから、彼はモデルに一定の姿勢で長時間いることを
強いることはしませんでした。
感覚を研ぎ澄まして、その自然を、その時間の発展を
絵画なら「色と線」に、彫刻なら凹凸に
訳出すことが芸術だと彼は言います。
ロマンチックなのです。かっこいいのです。
上等です。
ただ、問題は岩波文庫なので、字が小さく
1ページに文字数が多いことでしょうか・・・
「いっさいが芸術家にとっては美しい。」
彫刻に限らず、芸術を志す若い人にはぜひ読んでいただきたい一冊。この本は、始めから読み進めなくても良い内容です。無作為に広げたページのどこからでも芸術への導きを見つけることが出来るでしょう。
自身がロダンに感化された彫刻家でありまた詩人の高村光太郎の訳ゆえに、ロダンの言葉が感情豊かに伝わってきます。
聞きなれない言葉のほとんどに注がつけられており、明解に読み進められるでしょう。
また、巻末の彫刻家高田博厚による解説や全作品年表、作品写真など、これ一冊でロダンの輪郭を一通り捉えることが出来るようになっています。
編に携わっている菊池一雄も著名な彫刻家です。
近代彫刻の扉を押し開けた巨人
「単純は美しい。単調はいけない。」という言葉が好きです。ギリシャ彫刻なんかは、けっこう細部が省略されているけれど、彼に言わせれば、あれはちゃんと細部を研究され尽くした上で、面のなかに細部を溶け込ませている結果なんとなく単純に見えるだけで、こういうフォルムの単純化はむしろ力強くて美しいのだと。 そして彼が、自分と同時代の彫刻家達を批判して言うには、あのガキらは、細部の研究をすっとばして、いきなりつるつるに磨いたりなんかして、やれ、きれいだの、やれ、完成度高いだのとぬかしていやがるのだと。これらの彫刻は、フォルムの単純化でもなんでもなく、単調なつまらない彫刻なのだと。偽物なんだ、と。俺は認めねえぞ、と。
それぐらいの気概があったからこそ、成し遂げることができたのかもしれませんね。
