タルチュフ (岩波文庫 赤 512-2)

レビュー

タルチュフは今も生きている。

この本を読むと我々人類はルイ十四世のころからまったく進歩していないことを感じる。
いまだに「××真理教」だの「○の華」だのと言ったいかがわしい宗教にだまされ、気づいたときには財産をすべてむしりとられている。モリエールが300年も前に警告を発しているのに我々人類は相変わらずなのだ。

タルチュフは今後とも姿かたちを変えて我々の前に現れるだろう。
しかし間違えてはいけない。モリエールは宗教家を否定しているわけではない。もちろん私もだ。マザー・テレサのように宗教を越えて世界中の人々から尊敬されるような素晴らしい人も存在するのだ。

我々が注意を払わねばならないのは、この作品で描かれているような偽善者なのだ。(フランスやドイツでは『タルチュフ=偽善者』として引用される)
この作品を読んだ後、今一度カルト宗教の起こした一連の事件を思い起こしてほしい。