みれん 改版 (岩波文庫 緑 6-3)

レビュー

僕の生きる道

余命一年を宣告された男と、看病する女の物語。
平穏な死を共に迎えることを誓った二人であったが、男は刻々と屈折し、女は次第に愛に疑問を抱く。

----- 俺が死に向かって進んでいくというのに、どうして、あいつが明るい顔をして目を輝かしていなくてはならないというのだろうか -----

----- どうせあの人は助からない。いつかあの人と一緒に死のうと思ったこともある。それなのに、なぜ今はこんなに余所々々しくなっているのだろう -----

目の前にある死の恐怖から、人は逃れることなどできるのだろうか。
愛する人が、醜く心を歪ませていく時に、どこまでも自分を犠牲にして愛を貫くことなどできるのだろうか。
美しい死を望んだ男の心は、醜く歪み、狂気へと変わっていく。

-----「俺がいよいよ行く時には、お前も一緒に連れていくのだよ。」男はこうささやいた。-----

男は女を道連れにすることを思い、女は生きたいと願った。
男の目の中に殺意を読み取りながらも、女は、愛ではなく良心から、死にいく人を見捨てることができない。
限り無く現代的な、百年前の物語。

僕の生きる道

余命一年を宣告された男と、看病する女の物語。
平穏な死を共に迎えることを誓った二人であったが、男は刻々と屈折し、女は次第に愛に疑問を抱く。

----- 俺が死に向かって進んでいくというのに、どうして、あいつが明るい顔をして目を輝かしていなくてはならないというのだろうか -----

----- どうせあの人は助からない。いつかあの人と一緒に死のうと思ったこともある。それなのに、なぜ今はこんなに余所々々しくなっているのだろう -----

目の前にある死の恐怖から、人は逃れることなどできるのだろうか。
愛する人が、醜く心を歪ませていく時に、どこまでも自分を犠牲にして愛を貫くことなどできるのだろうか。
美しい死を望んだ男の心は、狂気へと変わっていく。

-----「俺がいよいよ行く時には、お前も一緒に連れていくのだよ。」男はこうささやいた。-----

男は女を道連れにすることを思い、女は生きたいと願った。
男の目の中に殺意を読み取りながらも、女は、愛ではなく良心から、死にいく人を見捨てることができない。
限り無く現代的な、百年前の物語。